子どもニーズカードについて

<子どもニーズカードを通して伝えたい世界観>

○    こころの中にどんな気持ちも願いも「あっていい」。そして、互いの多様性を祝福しあえる世界へ。

○    こころの願いに気づいていくことで、自分を大切に。そして、大切にしたい願いを表現していく世界へ。

 

<カードを作ろうと思ったきっかけ>

ただ聴かれる体験から、心が癒され安心感と力が戻ってくる感覚。

今まで、自分自身に対して共感するとか、どういう気持ちであるとか、あまり考えたことはありませんでした。共感コミュニケーションとも言われるNVC*を学ぶ過程で、どんな気持ちも、その先に大切にしたい願いにつながっているということ知り、私は気持ちだけではなく、大切にしたかった願いまで一緒に置き去りにしてきたことに気づきました。その後、心を痛める大きな出来事が起き、自分の気持ちや願いを共感的に聴いてもらうことに。そして聴かれることで心が癒され、再び安心感と力が戻ってくる感覚がありました。その体験から、子どもたちが自分の気持ちや願いに気づけるサポートがしたい、安心して気持ちを表現できる環境を作りたいと思うようになりました。

*NVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)とは、1970年代に、アメリカの臨床心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグ博士によって体系化され、提唱された、自分の内と外に平和をつくるプロセス。

 

療育施設での子どもたちから学んだ「いのちの輝き」。

療育の場で働くことになり、子どもたちの心の声をより聴きたい、そんな願いから視覚支援の一つとして何かあればいいなと探しました。でも、いいものが見つからず、NVCで大切にされている感情と願い(ニーズ)をヒントに、自分で作ることにしました。文字が苦手な子どもたちも選びやすいように、イラストや言葉選びを工夫したカードを子どもたちと使ってみました。一見、つまらなさそうに思えていた子が、「楽しい」というカードを選び、伝わったことが分かると一瞬にして表情が変わり、目が輝き出しました。その関りの中から、自分の思い込みが外れていき、より子どもたちの内面の輝きに気づけるようになりました。子どもたちの表情が教えてくれるのは、いのちの輝きそのものです。

 

子どもたちの気持ちや願いが生み出す「つながり」の関係。

カードを使って気持ちや願いを聴いていく中で、思春期の子どもが、親にも友達にも話せない事を聴いて欲しいとカードを持ってきたり、普段ポジティブな事しか言わない子どもが、ネガティブな感情をぽつりぽつりと話し出したり、感情カードにはない「ほわほわ」という言葉を共通言語として持てるようになったり・・・子どもたちとの「つながり」がより感じられるようになりました。後から、カードを実際に受け渡ししたり、一緒に眺めたりする事を通して、子どもたちが視覚的にも自分の気持ちや願いが受け取られた!と感じていることを知りました。

 

多様性やインクルーシブ、子どもの表情を大切にした「子どもニーズカード」が完成。

当初は、誰もが使えるようにと、無料版をダウンロードできるようにしていましたが、使用してくださった多くの方々から商品化して欲しいという声を頂くようになりました。私が大切にしたかった多様性やインクルーシブ…例えば車いすの子ども、メガネの子、様々な肌や髪の色の子どもが描かれていること。また、いのちの輝きを感じる、イキイキとした子どもたちの表情を全てのカードに入れること。これらを大切に、道徳の教科書の挿絵も描いているイラストレーターさんにお願いをして、出来上がったのが、「子どもニーズカード」です。


教育関係者、行政の職員など、家庭以外への広がり…

カードの販売開始以降、さらに多くの方に使って頂けるようになりました。それは、子どもの心の声を聴きたい、子どもとよりつながりたいという願いを持っている大人がたくさんいる事を表していて、とても希望に感じています。それは、親子の間だけではなく、学校、福祉施設、病院、塾や習い事などの子どもがたくさん集まる場にも運ばれていっています。また子どもに対してだけではなく、夫婦や、教育現場の職員同士、高齢者との対話にと、大人同士でも広がっています。

大人も子どもも、全ての人が

自分を大切に、こころにあるものを大切に、

多様な願いを祝福しあえるつながりが

さらに広がっていくことを願っています。

使い方の例は、こちらから

購入は、こちらから

講座は、こちらから

開発者

<プロフィール> 

能美たかこ / 放課後等デイサービス管理者・子どもニーズカード開発者
小さな頃から、全身を使って表現する事が好き。アメリカダンス留学中に偶然出会ったヨガ。自分を見つめ、内なる平和に気付いていく世界観に引き込まれ、そのままライセンス取得。アメリカで様々な宗教・文化・価値観に触れ、多様性や違いを尊重しあうことの大切さを伝えていきたいと思うようになる。帰国後は、ヨガインストラクターとして活躍。その後、共感コミュニケーション(NVC)と出逢い、子どもの頃から感じていた言葉で表現することへの苦手意識、伝わらない無力感と向き合うことに。自分自身のこころの願いを共感的に聴かれる事のパワフルさと、大切な人とつながる温かさに触れる体験を通し、そんな関わりを我が子や、他の子どもたちとも育みたいという想いから、「子どもニーズカード」を作成。講座や共感サークルの場を持つ。

現在は、広島で放課後等デイサービス管理者として、子どもたちの療育・保護者支援に携わりながら、就労やキャリア支援に興味があり、キャリアコンサルタント国家資格を取得。

<子どもニーズカードの講座・講演実績>

広島県公立小学校の授業、広島県高等技術専門校の就職支援、広島市内自立支援協議会

療育事業所職員研修、兵庫県公立小学校教員研修、島根県立高校の選択学習 等。

子育てNPO、フリースクール、日本各地で子どもニーズカード講座を提供。(オンライン講座も含む)

広島のソーシャルカフェにて毎月共感サークルを開催中。