【子どもニーズカードの使い方】
「使い方が知りたい」という質問を多くいただきます。
このカードの使い方は様々です。
カードを選ぶ本人が、『伝えたい』と思うときに使うのが自然なように感じます。
また、子どもと使うとき、私たちが「どんな時に使いたいと思うのか」を思い浮かべてみてください。
「問題を解決したい」
「聞き出したい」
「はっきりさせたい」
「良い答えを出したい」
等の思いがある時は、まず大人であるご自身のニーズとつながる必要があるかもしれません。
このカードは子どもたちをコントロールするものでも、問題を解決するためのものでも、あなたのニーズを満たすためのものでもありません。
カードはあくまでもただの道具です。
大切なのは、大人が困っている状況を解決することではなく、子ども自身が自分の感情やニーズを知り、それによって人と繋がる体験をすることです。
子どもたちが感じている気持ちや求めていることをただ「聴いてもらう」ことで、楽になったり、生きやすくなることがあるかもしれません。
大人たちが寄り添ってくれるという安心感で、子どもたちが思い切って羽ばたけることもあるかもしれません。
そんなふうに子どもと関係性を創り、共に生きてくれる大人が一人でも増えてほしいという願いを込めてお届けいたします。
ここで紹介する使い方はあくまでも一例です。
いろんな使い方はフェイスブックのグループページでたくさんの方が実例をシェアしてくださっていますので、そちらも併せてごらんください。
『子どもニーズカード』の使い方
1. 感情カードを並べる。
2. 聞いてほしいことがある様子なら、話してもらう。話がない場合は、こちらが具体的な出来事に触れる。
例:「今日学校の大休憩の時何してた?その時の感情はどれに近い?」
3. その時の感情、または今の感情について、近いものをカードから選んでもらう。(何枚でもよい)
→この時「ない」「わからない」などの言葉があった場合は、カードの枚数を減らしたり、聞き手が(今の様子を見て)カードを選んでもよい。
例:「その時、表情が笑っていて嬉しそうに感じていたように見えたけど、それを聞いてどうかな?」
4. 選んだカードを見て、感じることがあれば話してもらう。
→選んだカードをひとつずつ丁寧に読み上げる。
例:「その時〇〇と感じたんだね、教えてくれてありがとう」
5. ニーズカードを並べる。
6. これまでの流れから、今またはその時欲しかったものをカードから選んでもらう(何枚でもよい)
例:「その時、自分が必要だと思ったこと、大切にしたいと思ったことを次の中から選んでもらっていいかな?」
7. 選んだニーズカードを全て読み上げる。そして味わう時間をとる。
例:「これが大切にしたいことなんだね」
「教えてくれてありがとう」
≪おわり≫
【こころがけること】
・ できるだけニュートラルな(ジャッジや解釈のない)ままで話を聴く。
・ 話し手の話が一通り終わるまで、聴き手は口を挟まず、ただ耳を傾けて聴く。
・ 話し手に感謝と尊敬の気持ちを忘れない。
・ 解決を目的にせず、今ある感情と、子どもたちが大事にしたいニーズにつながる練習とする。
・ 「沈黙」「間」を恐れない。本人が感じることにつながるまで、信じて待つ。
・ リクエストは強要とは違い、拒否することもできることを忘れない。
【使用する上でのヒント】
・ カードには正解も不正解もなく、あくまでもその子の感情につながるためのツールです。
・ 本人が乗り気でない場合は、聴き手の話を聞いてもらうという方法もあります。(他者共感)
・ 「こうしなければならない」というやり方はなく、様々な使い方ができます。(感情カードのみで話が終わっても、ニーズに触れた後にまた感情に戻っても、使い方はその時々人それぞれです)
・ たとえ多くのニーズが満たされないままでも、「自分につながる」というニーズが満たされていれば、十分なこともあります。十分と感じた時、こちらが完結していないと感じる状況でも、子どもがその場を離れることもあります。ひきつづき見守ってあげてください。
カードにある言葉はすべての感情とニーズを網羅するものでも、限定しようとしているものでもありません。ここに無い言葉は“空白のカード”に書き込んでください。